COVID-19 / 縦深防御と水際作戦 (1)

本稿で用いるデータは厚生労働省が公開しているものを基礎としており、集計したデータはGitHubに置いてあります。

わたくし、生まれも育ちも工学です。ひとよんで煙人計画と申します。まちがいないようこころがけてはありますが、なにぶん一介の野良の博士でございます。ご指導ご鞭撻、万端お引きたてのほど、よろしくお頼みもうします。

叙情

「なんか見栄えいいグラフつくってるやつがいて、ねたましく思ったんだ。だからさ、俺もかっこいいグラフつくってモテたいって思ってさ」
「パパのつくったグラフ、でも、かっこよくないよね」
「それな!」

検査人数の分離

厚生労働省のウェブページで公開されているPCR検査の人数をグラフにしました。3月4日から積極的疫学調査(による濃厚接触者?)の調査数が含まれるようになったみたいです(詳細を見つけられなかったのでよくわかりません。積極的疫学調査によって陽性者が発見された場合、どのタイミングで集計に含まれていたのかしら?)。ビヨーンと大きくなっている3月4日、3月10日、3月13日がそれに関係してるっぽく見えます。

日毎の陽性者数を日毎の検査数で割ってグラフにしました。このグラフを使って、診断が要請した検査の人数と、積極的疫学調査が要請した検査の人数を分離したいと思います。

単純に観察できることとして、なんかやばいかんじになっているのは下記の6個です。

2月19日 77.8%
3月1日 5.1%
3月4日 0.4%
3月6日 4.4%
3月10日 2.0%
3月13日 3.0%

2月19日は検査人数がすくないせいで値がおおきくなっている気がするのでよけることにします。全体に対する影響はちいさそうなのであまり気にしなくてよさそうですが。

3月4日より前は積極的疫学調査の調査数が含まれていないので、5.1%は妥当な値とみなしてよさそうです。3月4日よりちいさい値をてきとうに無視すればよさそうです。ほんとうは信頼区間とか考えたほうがいいかもしれませんが、そもそもがてきとうなので気にしないことにします。

というわけで、えいやっ、で、2月19日、3月4日、3月10日、3月13日をよけることにしました。

検査人数 3731
PCR陽性者数 509
陽性率 13.6%

この割合が3月3日までの割合とだいたいひとしくなるのはたまたまです。お医者さんがPCR検査が必要と判断した場合に陽性と判定される確率の概算なのですが、まあ、こんなもんかな、と思います。素人なので相場がよくわかりませんけど。

ツイスト

3月13日に発表された数値から逆算します。

検査人数 11231
PCR陽性者数 659
診断が要請した検査の人数 \(=\) PCR陽性者数 \(\div\) 13.6% 4845

逆算にどれくらいもっともらしさがあるか、自信はもうとうありません。診断が要請した検査の人数と、積極的疫学調査が要請した検査の人数は半々くらいで資源を分けあっているのかなあ、となんとなく結論します。

いかがでしたでしょうか!

次回予告

検査人数と検査件数のちがいにふみこみます。とぼしいデータとさらなるてきとうさがあなたをおそう!